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「むずかしい」というつぶやき

心の防衛機制,心理的盲点=スコトーマ,自己成就予言,RAS=網様体賦活系,リアプレイザル=認知的再評価,セルフトーク

「難しい」「わからない」「合わない」というつぶやき

「わかってるんだけど・・・難しいな」とか「これって、むずかしいよな」とか「私には合わない」といったつぶやきを耳にすることがあります。

耳にするといっても、自分自身でも使っていることがあったりもするのですが・・・。

この言葉を聞く(言う)時、何か違和感のようなものを感じる時があります。

この言葉を発する時、これらの言葉が口癖になっている時、いったい何が起こっているのでしょう?

心の防衛機制

フロイトが唱えた心の防衛機制(うえいきせい)というものがあります。

人は、葛藤状態や疑問状態、不安状態や不満状態を長時間抱えることに苦痛を感じるため、自分を守るために防衛機制というものが働きます。

いわば「捉え方を捻じ曲げる」というやり方を(無意識的に)することがあるわけです。

心的防衛機制には、たくさんの種類がありますが、その中には「否認(にん)」や、「投影(とうえい」、「抑圧(よくあつ」や、「逃避(とうひ」といったものがあります。

そういった防衛機制の一つに「合理化(ごうりか」というものがあり、有名なおはなしにイソップ寓話の「すっぱい葡萄(狐と葡萄)」の話があります。

 

どういう話かというと、キツネが、おいしそうに実ったぶどうを見つけ、食べようと手を伸ばすが、ぶどうは高い所にあって届かなかった。何度も採ろうと頑張るがどうしても採れなかった。キツネは怒りと悔しさで捨て台詞を吐いて去っていく。「こんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べるものか」と。

 

人が「むずかしい」と言ったときに、何が起こっているのかというと、「私が理解できないのではなく、(わからないとされている)対象が難しいせいだから、仕方がないこれ以上考える必要がない」と合理化してしまいます。

「むずかしい」「わからない」「合わない」といえば、それ以上考えなくて済み疑問を抱え続けなくて済みます。さらに理解できない私ではなく、対象が悪いというふうに、心理的に“すり替える”こともできます。

スコトーマと言の自己成就

 人は興味・関心を持ったものでないと、文字通り「見えなく」なってしまいます。

それを、心理的盲点=スコトーマなどと言ったりもします。

さて、対象が「むずかしいな」と合理化してしまった後には、何が残るでしょう?

対象だったものが、盲点になってしまい見えなくなってしまいます。

そうすると、さらに興味を失い、悪いサイクルに入っていきます。

これが、固定化していき、これに関連することは、「(難しいから)聞かなくてよいもの。知らなくてよいもの」といった、

カテゴリー分けに自動的に入れられてしまいます。※1

 

そこに入ってしまったら、もうそこから容易に抜け出すのは「むずかしく」なります。

「むずかしい」というセルフトークは最終的に、本当に「むずかしく」なってしまい遂には、セルフトークが自己成就してしまいました。

 

※1 脳が、必要なもの/必要でないものをふるい(フィルター)にかけるシステムのことをRASReticular Activating System)=網様体賦活系(もうようたいふかつけい)といいます。五感を通して、入ってくる情報は膨大すぎる(例えば、今朝通勤するときの道路の模様や、今いるところの壁や天井の模様など一つ一つを認識したり、記憶したりしていたら、脳が処理しきれなくなってしまいこわれてしまう)ため、フィルターをかけて残す情報などを取捨選択しています。なにを認知してなにを認知しないかを振り分けているのが、RASというシステムです。何を基準に、必要/不必要に分けるかというと、重要度優先順位興味があることや、知っていることというものが基準になります。逆に、「既に知っている」からという理由で、認識しない、または簡略化する(2度目は見ているけど見ていない)という場合もあります。

自己成就予言,セルフトーク

ルフトークをえてみる

 そこで、「むずかしそうだなぁ」とか「むずかしいぞ」というのが口癖になっている人は、ぜひセルフトークから変えてみてください。

前の記事でも書いた、「リアプレイザル認知的再評価」も効果的だと思います。

例えば、何かを前にして、「むずかしそうだな」と口からすでに出てしまった人は、「むずかしそうだけど、手ごたえがあって面白そうだな」とか「やりがいがありそうだな」とか「クリアできたら、サイコーだぞ」とか「手ごわいほど、ワクワクしてきておもしろいよなぁ」などと言い換えてみましょう。

これも別種の、「合理化」ではあるかもしれませんが、いままでなら問題となってきたものや、切り捨ててきたものを「昇華」することができるのです。

また、ある人が言っていたおもしろい例えとしては、イヤな上司(この時点で「イヤな」というレッテルを貼ってしまっていることは置いておいて)から、怒られたときに、滝だと思って修行していると思うと、もっと叱ってくれと思えるようになる、逆転の発想となるということです。

まとめ - キーワード

  • 心の防衛機制
  • 心理的盲点=スコトーマ
  • 自己成就予言
  • RAS=網様体賦活系
  • リアプレイザル=認知的再評価
  • セルフトーク

 


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