統合失調症やその他の精神病性障害など

統合失調症とは


統合失調症 就労移行支援 あるてぃー
  • 統合失調症は主に、思春期から青年期に発症することが多い、脳の病気で、人口のの人が罹患するといわれている。
  • 症状としては主に、

陽性症状:幻聴や幻覚や妄想(被害妄想、関係妄想、思考奪取や思考吹入など)

陰性症状:無為自閉や意欲低下、感情鈍麻など

解体症状:滅裂思考、奇異な行動、まとまりのない会話 、感情の平板化など

認知症状:問題解決力低下、注意力低下、処理速度の低下、作業記憶または陳述記憶の低下、抽象的思考の低下、他者視点の理解の低下、学習能力低下など

  • 病因は明確ではないが次のようなものが考えられる

生物学的基盤:脳構造の変化、神経化学的な変化(ドーパミン仮説など)、遺伝学的危険因子など

環境ストレス因:元々の脆弱性プラス引き金となりうる要因。物質乱用や社会的因子(貧困や失業、幼児期の心的外傷など)

診断基準


古い診断基準

  • ブロイラーの4つのA

1.Association loosening

   ➥連合弛緩(思考障害)
2.Affect disturbances

   感情鈍麻(感情障害)

3.Ambivalence

   アンビバレンツ(両価性)

4.Autism

   自閉性

  • シュナイダーの1級症状

1. 思考化声 (自分の考えが声となって聞こえる)

2. ダイアログ形式の幻聴( 声同士が話し合ったり、複数人の対話をする)

3. 自身の行動を批判するような幻声(自身の行動の一挙一動に実況解説をしたり、「~するな」という批判的な声)

4. 妄想知覚(知覚に対し、非合理的で特別な意味付けをする)

5. 身体的被影響体験(身体の異常な感覚は、他人によって行われていると考える)

6. 考想被影響体験(思考奪取:「自分の考えを他者に抜き取られる」、思考吹入:「他者から考えが吹き入れられる」、思考伝播:「他の人々に自分の考えていることが伝わってしまう」

7. 感情・欲動・意志の領域におけるさせられ体験・被影響体験(他者によって感情や意思が操作され「させられている」と感じる

DSM-5(アメリカ精神医学会診断基準)

DSMでは、統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群としてまとめられています。つまり症候群として考えられるようになっている。

  1. 妄想
  2. 幻覚
  3. まとまりのない発語 (例:頻繁な脱線または滅裂)
  4. ひどくまとまらない、または緊張病性の行動
  5. 陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)

上記つのうち、つ以上が存在し、かつ、それが6カ月を超えて続く場合が診断されます。


ICD-11の分類

  • 統合失調症または他の一次性精神症
6A20 統合失調症
H01649 統合失調症                    
6A21 統合失調感情障害
6A22 統合失調症型障害
6A23 急性一過性精神症
6A24 妄想性障害
6A25 一次性精神病の徴候
6A2Y その他の明示された一次性精神症
6A2Z 統合失調症または他の一次性精神症, 詳細不明
  • 緊張病(カタトニア)
6A40 精神疾患に関連した緊張病
6A41 物質または医薬品で誘発される緊張病
6A4Z 緊張病, 詳細不明

ICD-10(WHO国際疾病分類)

現在ICD-11がリリースされている。ICD-10のコード分類では、統合失調症としてF20に分類される。


F20 統合失調症

統合失調症性障害の一般的特徴は、 思考及び知覚の基本的で特徴的な歪曲であり、感情の不適切又は鈍麻である。通常は意識清明で知的能力は保たれているが、時間の経過とともに何らかの認知的欠損が発現し進展していくことがある。最も重要な精神病理学的症状としては、考想化声・考想吹入又は考想奪取・考想伝播・妄想知覚及びさせられ妄想・影響され又は動かされる体験・第三者の形で患者を批評したり話題にする幻声・思考障害及び陰性症状がある。統合失調症性障害の経過は、持続性であるか、又は挿間性であって進行性又は継続性の欠陥を伴うか、あるいは完全又は不完全な寛解を伴う1回又は複数のエピソードがあるかである。顕著な抑うつ性又は躁性の症状がある場合には、感情障害に先行して統合失調症症状があったことが明白でない限りは、統合失調症の診断をしてはならない。また明らかな脳疾患が存在したり、あるいは薬物中毒又は離脱状態の間も、統合失調症と診断してはならない。統合失調症に類似する障害がてんかん又はその他の脳疾患があって生じた場合にはF06.2に分類するべきであり、精神作用物質による類似の障害はF10-F19で共通4桁項目.5を付けて分類するべきである。  

含まない: 統合失調症  ・急性(型分類困難な)(F23.2) ・周期性<循環性>統合失調症(F25.2) ・統合失調症性反応(F23.2)

 ・統合失調症型障害(F21) 

0.妄想型統合失調症(F20.0)

F20.0

妄想型統合失調症

 

妄想型統合失調症では、比較的持続性でしばしばパラノイド的(偏執的)な妄想が優勢であり、通常は幻覚とくに幻聴を伴い、またその他の知覚障害がある。感情や意欲、言語の障害及び緊張病症状は欠如するか、比較的目立たない。

・パラフレニー型統合失調症

含まない

退行期妄想状態(F228)、パラノイア(F220

F20.0

妄想型統合失調症

1.破瓜型統合失調症(F20.1)

F20.1

破瓜型統合失調症

 

統合失調症の1型であり、感情の変化が著明であり、妄想や幻覚は一過性で断片的であり、行動は責任感がなく予測し難く、衒奇症が通常認められる。気分は浅薄かつ不適切である。思考は一貫性がなく、話にまとまりがない。社会的孤立の傾向がある。通常は、 “陰性”症状、とくに感情鈍麻と意欲喪失が急速に発展するので、予後は良くない。

破瓜病は、普通には青年期又は若い成人においてのみ診断されるべきである。

・解体型統合失調症

・破瓜病

F20.1

破瓜型統合失調症

2.緊張型統合失調症(F20.2)

F20.2

緊張型統合失調症

 

顕著な精神運動性障害が優勢であり、過動と昏迷、又は命令自動と拒絶症のような両極端の間を交替することがある。不自然な態度や姿勢が長期間持続することがある。暴力的な興奮のエピソードはこの病態の著明な特徴である。緊張病現象は活発な場面幻覚を伴う夢幻様状態を合併することがある。

・緊張病性昏睡

・緊張病性昏迷

・統合失調症性:

カタレプシー

緊張病

ろう屈症  

F20.2

緊張型統合失調症

3.型分類困難な統合失調症(F20.3)

F20.3

型分類困難な統合失調症

 

一般的な精神病的病態に合致はするが、上記1.~2.の亜型のどれにも適合せず、診断特徴特定の組合せが明らかに優位ではなく、二つ以上の亜型の臨床特徴が存在する。

・非定型統合失調症

含まない

急性統合失調症様精神病性障害(F232)、型分類困難な慢性統合失調症(F205)、統合失調症後抑うつ(F204

F20.3

型分類困難な統合失調症

4.統合失調症後抑うつ(F20.4)

F20.4

統合失調症後抑うつ

 

統合失調症性疾患の余波として生じる遷延することもある抑うつエピソード。“陽性”又は“陰性”の何らかの統合失調症症状がなお存在しなければならないが、それらはもはや優勢な臨床像ではない。このような抑うつ状態は自殺の危険性を大きく伴っている。もしも患者にすでに統合失調症症状が全くないならば、うつ病エピソード(F32.-)と診断するべきである。もしも統合失調症症状がまだ顕著に見られるならば、診断は統合失調症の亜型(F200-F203)の中の適切なものとするべきである。

F20.4

統合失調症後抑うつ

5.残遺型統合失調症(F20.5)

F20.5

残遺型統合失調症

 

期段階から後期段階への明らかな進行が見られる統合失調症性疾患の進展における慢性段階であり、その特徴は長期で、 必ずしも非可逆性ではないが、 “陰性”の症状や機能障害であって、たとえば、精神運動性の緩徐化・活動性低下・感情鈍麻・被動性と自発性欠乏・言葉数や話の内容の貧困化・顔の表情、目による接触、声の変化及び姿勢などによる非言語的コミュニケーションの貧困化・自分の身の回りのことも、社会的行為も不十分になることである。

・型分類困難な慢性統合失調症

・残遺状態(統合失調症の)

・統合失調症性残遺状態

F20.5

残遺型統合失調症

6.単純型統合失調症(F20.6)

F20.6

単純型統合失調症

 

この障害においては、行為の奇異性が潜行性だが進行性に発展し、社会の要求に応えられなくなり、全体的遂行能力が低下する。残遺型統合失調症に特徴的な陰性症状(たとえば、感情鈍麻、意欲喪失など)が発展するが、それに先行していかなる明らかな精神病性症状も見られないのである。

F20.6

単純型統合失調症

8.特定の[個別的]恐怖(症)(F20.8)

F20.8

その他の統合失調症

 

体感異常型統合失調症 

統合失調症様:

 ・障害 (詳細が不明)

 ・精神病(詳細が不明)

含まない

短期統合失調症様障害(F232

F20.8

遅発性統合失調症

F20.8

体感症性統合失調症

F20.8

統合失調症様状態

F20.8

急性統合失調症性エピソード

9.統合失調症詳細不明(F20.9)

F20.9

統合失調症詳細不明

F20.9

モレル・クレペリン病

F20.9

統合失調症


F21 統合失調症型障害

この障害は、統合失調症に見られるものと類似した風変わりな行動及び思考と感情の異常とが特徴的に見られるが、病気のどの時期においても明確で特徴的な統合失調症症状はない。症状には、冷たい又は不適当な感情・快楽消失・一風変わった行動・社会的引きこもりの傾向・真性妄想には至らない妄想的又は奇妙な考え・強迫的反芻・思考障害と知覚障害・時には一過性の準精神病的エピソードが通常は外からの誘因なしに生じて、強い錯覚、幻聴その他の幻覚及び妄想様観念が見られる。発病時期は明確でなく、その進展と経過は通常は人格障害の進展や経過と同様である。  

含む: 

潜伏統合失調症反応

統合失調症:

・境界性 ・潜伏性 ・前精神病性 ・前駆期 ・偽神経症性 ・偽精神病質性

統合失調症型人格障害

含まない: 

アスペルガー症候群(F84.5)、統合失調症質性人格障害(F60.1) 

F21

統合失調症型障害

F21

偽神経症性統合失調症

F21

前駆期統合失調症

F21

境界型統合失調症

F21

潜在性統合失調症

F21

統合失調症型障害

F21

統合失調症型パーソナリティ障害


F22 持続性妄想性障害

本項目には種々の障害が含められており、長く持続する妄想が唯一の、又は最も顕著な臨床的特徴をなしているが、器質性とも統合失調症性とも又は感情性とも分類できないのである。

妄想性障害で持続が数か月以下のものはF23.-に分類するべきである(少なくとも一時的には)。   

0.妄想性障害(F22.0)

F22.0

妄想性障害

F22.0

サンデル病

F22.0

パラノイア

F22.0

関係念慮

F22.0

関係妄想

F22.0

誇大妄想

F22.0

口臭ノイローゼ

F22.0

自己視線恐怖

F22.0

自己臭恐怖

F22.0

嫉妬妄想

F22.0

心気妄想

F22.0

被害妄想

F22.0

妄想性障害

8.その他の持続性妄想性障害(F22.8)

F22.8

その他の持続性妄想性障害

F22.8

好訴パラノイア

F22.8

退行期妄想状態

F22.8

妄想性醜形恐怖症

9.持続性妄想性障害、詳細不明(F22.9)

F22.9

持続性妄想性障害,詳細不明

F22.9

幻覚妄想状態

F22.9

持続性妄想性障害


F23 急性一過性精神病性障害

これは障害の異質なものの一群であり、その障害の特徴は妄想、幻覚や知覚障害のような精神病性症状が急性に発症し、普通の行動が全くできなくなることである。急性という定義は、約2週間以内に明らかに異常な臨床症状が増強して進展することである。

この障害には器質性の原因の証拠はない。当惑や困惑はしばしば見られるが、時・場所・人物についての失見当(識)は器質因性せん妄(F05.-)の診断をするのに十分なほどには持続しないし重症でもない。通常は数か月以内に完全に回復し、しばしば数週又は数日以内にも回復しうる。

もしもこのような障害が持続するのであれば、分類の変更が必要になるであろう。

この障害は急性ストレスに関連して生じる場合もあるし、そうでないこともあるが、その場合の急性ストレスの定義としては通常は発病の1~2週間前に起こったストレスの多いできごととする。  


ICD-10(WHO国際疾病分類)

 

(F22持続性妄想性障害

長く持続する妄想が唯一の、又は最も顕著な臨床的特徴をなしているが、器質性とも統合失調症性とも又は感情性とも分類できない。妄想性障害で持続が数か月以下のものは急性一過性精神病性障害に分類する

(F22.0)妄想性障害

一つの妄想、又は一連の関連する妄想のいずれかが発展し、通常は持続し時には一生続く。妄想内容又は妄想は非常に多様である。 明確で持続性の幻聴(幻声)及びさせられ妄想、顕著な感情鈍麻などの統合失調症性症状及び脳疾患の確実な証拠はいずれもこの診断とは矛盾する。

①サンデル病(F22.0)、②パラノイア(F22.0)、③関係念慮(F22.0)、④関係妄想(F22.0)、⑤誇大妄想 (F22.0)、⑥口臭ノイローゼ(F22.0)、⑦自己視線恐怖 (F22.0)、⑧自己臭恐怖(F22.0)、⑨嫉妬妄想(F22.0)、⑩心気妄想(F22.0)、⑪被害妄想(F22.0)、⑫妄想性障害(F22.0)

(F22.8) その他の持続性妄想性障害

単独又は複数の妄想が持続性の幻声又は統合失調症症状を伴っているが、それらは統合失調症の診断を下すには不十分である。

①好訴パラノイア(F22.8)、②退行期妄想状態(F22.8)、 ③妄想性醜形恐怖症(F22.8)

 

(F23急性一過性精神病性障害

特徴は妄想、幻覚や知覚障害のような精神病性症状が急性に発症し、普通の行動が全くできなくなることである。 急性という定義は、約2週間以内に明らかに異常な臨床症状が増強して進展することである。この障害には器質性の原因の証拠はない。 当惑や困惑はしばしば見られるが、 時・場 所・人物についての失見当(識)は器質因性せん妄の診断をするのに十分なほどには持続しないし重症でもない。通常は数か月以内に完全に回復し、しばしば数週又は数日以内にも回復しうる。この障害は急性ストレスに関連して生じる場合もあるし、そうでないこともあるが、その場合の急性ストレスの定義としては通常は発病の1~2週間前に起こったストレスの多いできごととする。 

 

(F24感応性妄想性障害

密接な感情的結合がある2人以上の人物に共有されている妄想性障害。 1人だけが 本当の精神病性障害に罹患しており、その他の人には妄想が誘発されており、 発端者から分離されると通常は妄想を放棄する。

①感応性妄想性障害(F24)、②感応精神病(F24)、③二人組精神病(F24)

 

(F25統合失調感情障害

挿間性障害であり、 感情障害の症状と統合失調症症状が両者とも顕著であるために、疾患のエピソードの診断が統合失調症にも、うつ病エピソードにも躁病エピソードにも適合しない。

①統合失調感情障害,躁病型(F25.0)、②統合失調感情障害,うつ病型 (F25.1)、③統合失調感情障害,混合型 (F25.2)、④その他の統合失調感情障害(F25.8)、⑤統合失調感情障害,詳細不明 (F25.9)

 

 (F28その他の非器質性精神病性障害

妄想性又は幻覚性の障害で次の病態のどの診断にも適合しないもの。 適合しないものとしては, 統合失調症(F20.-)、 持続性妄想性障害(F22.-)、 急性一過性精神病性障害(F23.-)、躁病エピソードの精神病型(F30.2)又は重症うつ病エピソード(F32.3)。

①非定型精神病(F28)、②慢性幻覚精神病(F28)、③知的障害性精神病(F28)

 

(F29詳細不明の非器質性精神病

①精神病(F29)、②妊娠期精神病(F29)、③器質性精神病(F29)


統合失調症の心理検査


PANSS(Positive And Negative Syndrome Scale)=陽性・陰性症状評価尺度

BPRSBrief Psychiatric Rating Scale)=簡易精神症状評価尺度

BACS(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)=統合失調症認知機能簡易評価尺度

MCCB(MATRICS Consensus Cognitive Battery)=MATRICSコンセンサス認知機能評価バッテリー

風景構成法=投映描画法

治療薬


統合失調症 就労移行支援 あるてぃー 抗精神病薬
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