DSM-5では、気分障害という診断がなくなり、双極性関連障害群と抑うつ障害群が別々にカテゴライズされました。
1.クレペリン
2.内因、外因、心因という分類
3.メランコリー親和型性格
メランコリーの意味は、憂鬱、はればれしない落ち込んだ気分、抑うつのこと。
上記の内因性うつ病を誘発しやすい病前性格(うつ病の前の性格)として、テレンバッハという人が唱えた。几帳面、良心的、相手に配慮しすぎるといった特徴を持つうつ病の病前性格であり、自分の所属する「社会や集団での役割」に応えようとするなかで、不調が生じうつ病を発症する
心理学的には、気分(Mood)と感情(Emotion)には明確な違いがあるようです。
最も大きな違いとしては、その持続する時間です。
感情は、一瞬から数分ほどで、消えていくのに対して、気分は長く、数時間から、日をまたいで、数日間も続くことがあります。
気分から特定の感情が惹起されやすくなり、それとともにまた気分に影響を与えたりすることがあります。
また、「感情」が起こる原因はわかりやすいが(例えば、割り込みをされて怒りという感情が沸いたなど)、なぜこのような「気分」になっているんだろうというのは、原因がわかりづらいことが多い(例えば、知らずに街のムードに影響されていたなど)という違いがある。
ダナーによると双極II型がⅠ型や単極性のうつよりも、自殺企図などのリスクが高いという研究がある。
TMS(Transcranial Magnetic Stimulation)
磁気刺激によって、うつに関わっていると言われる、前頭葉(背外側前頭前野を含む)に作用するという事です。
ECT(電気けいれん療法)などよりも体への負担が少なく、副作用も少なく、安全性も高いといわれています。
日本では2019年に厚生労働省により、rTMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation:反復経頭蓋磁気刺激療法)が治療としての保険適応が認められたとのこと。
ICD-10のコード分類では、気分(感情)障害としてF30-F39に分類。
(F30)躁病エピソード
0.軽躁病 (F30.0)
比較的気分の持続的な軽度の高揚、気力と活動性の増加、しばしば幸福感の亢進と著明な心身能力増進感である。社交性増大、多弁、過度の馴れ馴れしさ、性的活力増大及び睡眠欲求減少がしばしば存在するが、仕事の大きな破綻を招いたり、社会的に排除される程にまでは至らない。 通常は多幸的で社交的であるが、それが焦燥感や思い上がり、粗野な行動に替わることもある。気分と行動の障害に幻覚又は妄想を伴うことはない。
1.精神病症状を伴わない躁病(F30.1)
患者が置かれた状況とは不釣り合いに気分が高揚し、呑気な陽気さからほとんど制御できない興奮に至るまでの間で変化する。 気分高揚は活力増大を伴い、活動過多や談話心迫、 睡眠欲求減少を生じる。 注意を持続できず、しばしば転導性が亢進する。自尊心は増大し、誇大観念や自信過剰を伴う。正常な社会的抑制の喪失は、無謀で向こう見ずな、又は状況に対して不適切な、その人らしくない行動を生じることがある。
2.精神病症状を伴う躁病(F30.2)
上記F30.1に記載された臨床像に加えて、妄想(通常は誇大的)又は幻覚(通常は患者に直接話しかけて来る幻声)が存在し、興奮や運動活動性過多、観念奔逸が非常に極端なので患者は通常のコミュニケーションでは了解できず、また接近できない。
・躁病性昏迷
・精神病症状を伴う躁病
8.その他の躁病エピソード(F30.8)
・反応性興奮
・躁病発作
9.躁病エピソード,詳細不明(F30.9)
・単極性躁病
・躁状態
(F31)双極性感情障害(躁うつ病)
特徴は、患者の気分と活動性水準が著明に障害されるような2回以上のエ ピソードがあることで、 ある時には気分が高揚し意欲と活動性が亢進するが(軽躁病又 は躁病)、 他の場合には気分が沈滞し意欲と活動性が低下する(うつ病)。 軽躁病又 は躁病のエピソードだけを反復している患者はその他の双極性感情障害として分類する。
含:躁うつ病、躁うつ病性精神病、躁うつ病反応
0.双極性感情障害, 現在軽躁病エピソード(F31.0)
現在軽躁病であり、過去に少なくとも1回の感情病エピソード(軽躁病、躁病、 うつ病又は混合性)があった。
1.双極性感情障害、現在精神病症状を伴わない躁病エピソード(F31.1)
現在躁病で精神病症状はなく(F30.1 のように)、過去に少なくとも1回の感情病エピソードがあった。
2.双極性感情障害、現在精神病症状を伴う躁病エピソード(F31.2)
現在躁病で精神病症状があり(F30.2 のように)、過去に少なくとも1回の感情病エピソードがあった。
3.双極性感情障害、現在軽症又は中等症のうつ病エピソード(F31.3)
現在、軽症又は中等症のうつ病エピソード(F32.0 又はF32.1)と同様のうつ病であり、過去に少なくとも1回の十分確実な軽躁病、躁病又は混合性感情病のエピソードがあった。
双極性感情障害・軽症のうつ病エピソード
双極性感情障害・中等症のうつ病エピソード
4.双極性感情障害、現在精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード(F31.4)
現在精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード(F32.2)と同様のうつ病であり、過去に少なくとも1回の十分確実な軽躁病、躁病又は混合性感情病のエピソー ドがあった。
5.双極性感情障害、現在精神病症状を伴う重症うつ病エピソード(F31.5)
現在精神病症状を伴う重症うつ病エピソード(F32.3)と同様のうつ病であり、過去に少なくとも1回の十分確実な軽躁病、躁病又は混合性感情病のエピソードがあ った。
6.双極性感情障害、現在混合性エピソード(F31.6)
過去に少なくとも1回の十分確実な軽躁病、躁病、うつ病又は混合性感情病のエピソードがあり, 現在は躁病とうつ病との症状が混合するか, 急速に変化する病像を示している。
7.双極性感情障害, 現在寛解中のもの(F31.7)
過去に少なくとも1回の十分確実な軽躁病、躁病又は混合性感情病のエピソードがあり、それに加えて少なくとも1回のうつ病、軽躁病、躁病又は混合性感情病のエピソードがあったが、現在はいかなる著明な気分障害にもり患しておらず、またここ数か月間はり患していなかった。
8.その他の双極性感情障害(F31.8)
循環型躁うつ病
反復性躁病エピソード
双極2型障害
9.双極性感情障害、詳細不明(F31.9)
周期性精神病
躁うつ病
双極性感情障害
双極性障害
双極1型障害
(F32)うつ病エピソード
通常、軽症または中等症では気分沈滞及び意欲減退、活動性低下にり患している。生活を楽しみ、何かに興味を持ち、何かに集中する能力が障害され、最小限の努力をしただけでも後では著明な疲労感を生じるのが普通である。 通常は睡眠が障害され、食欲も減退する。自尊心と自信はほとんど常に低下し、軽症型でも何らかの罪責念慮又は自己無価値感がしばしば存在する。気分沈滞は来る日も来る日もほとんど変化せず、環境の変化にも反応せず、い わゆる“身体的”症状を伴い、物事への興味や嬉しいという感じが失われ、朝起きる普通の時間よりも数時間も早く目覚めてしまう。抑うつ気分は朝が最悪であり、著明な精神運動性減退、激越興奮、食欲喪失、体重減少、性欲喪失がある。これらの症状が存在する数及び重症度によって、うつ病エピソードを軽症、中等症又は重症と特定することができる。
含:うつ病性反応の単発エピソード 、心因性うつ病の単発エピソード、反応性うつ病の単発エピソード
0.軽症うつ病エピソード(F32.0)
上の症状のうちの2~3種類以上があり、これ らの症状で悩まされはするが、ほとんどの活動は遂行が可能。
1.中等症うつ病エピソード(F32.1)
上の症状の4種類以上が存在し、日常的活動を続けることに多大の困難を感じる。