突発性(脳に原因がある)部分てんかん
突発性(脳に原因がある)全般てんかん
症候性(原因がわからない)部分てんかん
症候性(原因がわからない)全般てんかん
チック症など
不随意運動など
てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気活動を起こすことで、繰り返し発作が生じる慢性の脳疾患です。
通常、脳の神経細胞(ニューロン)は規則的な電気信号で情報を伝達していますが、てんかんではこのリズムが乱れ、過剰な電気的興奮が起こります。
発作の種類と症状
発作は脳のどの部位で異常が起こるかによって異なり、以下のような症状が現れます:
意識消失、全身のけいれん、一部の筋肉の硬直、反応がなくなる(ぼんやりする)、感覚異常(耳鳴り、しびれなど)、自律神経症状(動悸、吐き気など)
分類
脳に明らかな障害や病変がある場合(例:脳外傷、脳卒中、脳腫瘍など)
検査で異常が見つからず、遺伝的要因が関与していると考えられるタイプ
てんかんはかつて三大精神病と呼ばれていたことがありました。
クレペリンが、精神疾患を「内因性精神病」として以下の3つに分類しました:
1. 精神分裂病(現在の統合失調症)
2. 躁うつ病(現在の双極性障害)
3. てんかん
現在の医学では、てんかんは「神経疾患」に分類されており、精神疾患とは明確に区別されています。
ただし、てんかんに伴って精神症状(うつ、不安、幻覚など)が現れることがあるため、精神医学との関連は今も研究されています。
日本では制度上、精神障害者保健福祉手帳の対象に含まれることもありますが、これは社会的支援のための枠組みであり、医学的な分類とは異なります。
てんかんまたは発作
8A60 構造的または代謝性の病態または疾患によるてんかん
H02770 神経変性と脳の石灰化を伴う早期発症てんかん発作
H01826 海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん
8A61 主にてんかんとして発現する遺伝的または推定される遺伝的症候群
H00577 症候性全般てんかん
H00808 特発性全般てんかん
H02889 知的発達障害および異形症を伴うまたは伴わない X 連鎖性てんかん
H01247 ピリドキシン依存性てんかん
H01819 早期ミオクロニー脳症
H02250 早期発症型ビタミン B6 依存性てんかん
H02696 早期発症型てんかん
H00806 良性家族性新生児けいれん
H01818 ドラベ症候群
H01815 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん
H01775 PCDH19 関連症候群
H02212 家族性小児ミオクローヌスてんかん
H02215 小児欠神てんかん
H01823 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん
H01822 ミオクロニー欠神てんかん
H01258 全般てんかん及び発作性ジスキネジア
H02361 ミオクローヌス-脱力発作てんかん
H02564 全般てんかん熱性けいれんプラス
H02939 ローランドてんかん運動誘発性ジストニアおよび書痙
H02217 若年性ミオクローヌスてんかん
H02216 若年性欠神てんかん
H02213 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん
H00809 家族性側頭葉てんかん
H00810 進行性ミオクローヌスてんかん
H01212 ニューロセルピン封入体を持つ家族性脳症
H01994 ミオクローヌスてんかん Lafora型
H01995 Unverricht-Lundborg 病
H00807 夜間前頭葉てんかん
H00836 グルコーストランスポーター1欠損症
H02214 多様な焦点を示す家族性焦点性てんかん
8A62 てんかん性脳症
H01460 ウエスト症候群
H01813 レノックス・ガストー症候群
H01514 ランドウ・クレフナー症候群
H00606 早期乳児てんかん性脳症
H01808 片側痙攣・片麻痺・てんかん症候群
H01812 ラスムッセン脳炎
H01827 ローランドてんかん、精神遅滞および発語失行
H01829 難治頻回部分発作重積型急性脳炎
H02150 乳児または幼児てんかん性脳症
H02360 小児発症てんかん性脳症
H02472 早期発症進行性脳症
8A63 急性の原因による発作
H00783 熱性けいれん
8A64 間接的な原因による単発の発作
8A65 単発の非誘発性発作
8A66 てんかん重積状態
8A67 急性群発発作
8A68 発作の種類
8A6Y その他の明示されたてんかんまたは発作
8A6Z てんかんまたは発作, 詳細不明
頭痛性疾患
8A80 片頭痛
H00775 片麻痺性偏頭痛
H02362 良性家族性乳児けいれん
8A81 緊張性頭痛
8A82 三叉神経・自律神経性頭痛
H01588 群発頭痛
8A83 その他の一次性頭痛
8A84 二次性頭痛
8A85 有痛性脳神経ニューロパチーまたは他の顔面痛
8A8Y その他の明示された頭痛性疾患
8A8Z 頭痛性疾患, 詳細不明
運動障害
8A05 チック症
H00862 トゥーレット症候群
8A06 ミオクローヌス性障害
H02789 家族性ミオクローヌス
H02819 新生児難治ミオクローヌス
ICD-10では、第Ⅵ章 神経系の疾患ということでG00-G99のなかのG40-G47に「挿間性及び発作性障害」として分類されている。
含まない:
ランドウ・クレフナー症候群(F80.3)、発作(けいれん性)NOS(R56.8)、てんかん重積(状態)(G41.-)、トッド麻痺(G83.8)
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G40.0 |
局在的に発症する発作を伴う(巣状)(部分)特発性てんかん及びてんかん(性)症候群 |
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・中心側頭スパイクを伴う良性小児(期)てんかん ・後頭(部)焦点波を伴う小児(期)てんかん |
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G40.0 |
局所性痙攣 |
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G40.1 |
単純部分発作を伴う(巣状)(部分)症候性てんかん及びてんかん(性)症候群 |
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・意識障害を伴わない発作 ・続発性全身性発作に発展する単純部分発作 |
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G40.1 |
ジャクソンてんかん |
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G40.1 |
局所性てんかん |
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G40.1 |
自律神経てんかん |
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G40.1 |
焦点性てんかん |
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G40.1 |
焦点性知覚性発作 |
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G40.1 |
体知覚性発作 |
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G40.1 |
遅発性てんかん |
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G40.1 |
聴覚性発作 |
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G40.1 |
てんかん単純部分発作 |
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G40.1 |
遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん |
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G40.2 |
複雑部分発作を伴う(巣状)(部分)症候性てんかん及びてんかん(性)症候群 |
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・意識障害を伴う発作、しばしば自動症を伴うもの ・続発性全身性発作に発展する複雑部分発作 |
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G40.2 |
てんかん性自動症 |
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G40.2 |
精神運動発作精神運動発作 |
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G40.2 |
前頭葉てんかん |
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G40.2 |
側頭葉てんかん |
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G40.2 |
部分てんかん |
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G40.2 |
てんかん複雑部分発作 |
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G40.2 |
海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん |
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G40.3 |
全般性特発性てんかん及びてんかん(性)症候群 |
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良性:乳児ミオクローヌスてんかん ・新生児けいれん<痙攣>(家族性) ・ 小児(児童)期アプ(ブ)サンスてんかん [ピクノレプシー] ・覚醒時に大発作を伴うてんかん
若年(性):アプ(ブ)サンスてんかん ・ ミオクローヌスてんかん [衝撃性小発作]
非特異性てんかん(性)発作:アトニー(無緊張)性 ・間代(けいれん)性 ・ミオクローヌス性 ・強直性 ・強直・間代(けいれん)性 |
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G40.3 |
アトニー性非特異性てんかん発作 |
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G40.3 |
アブサンス |
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G40.3 |
ミオクローヌスてんかん |
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G40.3 |
強直間代発作 |
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G40.3 |
若年性アブサンスてんかん |
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G40.3 |
若年性ミオクローヌスてんかん |
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G40.3 |
小児期アブサンスてんかん |
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G40.3 |
進行性ミオクローヌスてんかん |
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G40.3 |
定型欠神発作 |
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G40.3 |
良性新生児痙攣 |
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G40.3 |
良性乳児ミオクローヌスてんかん |
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G40.3 |
ウンフェルリヒト・ルントボルグ病 |
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G40.3 |
ラフォラ病 |
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G40.3 |
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん |
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G40.4 |
その他の全般性てんかん及びてんかん(性)症候群 |
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下記を伴うてんかん: ミオクローヌス(性)アプ(ブ)サンス(欠神発作 ・ミオクローヌス(性)起立不能発作 ・点頭けいれん ・レノックス・ガストー症候群 ・拝礼発作 ・症候性早期ミオクローヌス(性)脳症 ・ウェスト症候群 |
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G40.4 |
ウエスト症候群 |
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G40.4 |
レノックス・ガストー症候群 |
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G40.4 |
点頭てんかん |
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G40.4 |
乳児重症ミオクロニーてんかん |
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G40.4 |
ミオクロニー欠神てんかん |
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G40.4 |
ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん |
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G40.4 |
大田原症候群 |
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G40.4 |
早期ミオクロニー脳症 |
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G40.4 |
PCDH19関連症候群 |
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G40.4 |
ドラベ症候群 |
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G40.5 |
特殊なてんかん症候群 |
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継続性部分てんかん[コチェフニコフ(コジェヴニコフ)] 次に関連するてんかん発作:アルコール ・薬物 ・ホルモン性変化 ・睡眠喪失 ・ストレス 薬物誘発性で, 薬物の分類が必要な場合は, 追加外因コード(ⅩⅩ章)を使用する。 |
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G40.5 |
アルコールてんかん |
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G40.5 |
ストレスてんかん |
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G40.5 |
持続性部分てんかん |
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G40.5 |
睡眠喪失てんかん |
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G40.5 |
薬物てんかん |
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G40.5 |
片側痙攣片麻痺てんかん症候群 |
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G40.5 |
ラスムッセン脳炎 ICD10-1 G04.8 |
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G40.5 |
難治頻回部分発作重積型急性脳炎 |
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G40.5 |
視床下部過誤腫症候群 ICD10-1 Q85.8 |
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G40.6 |
大発作、詳細不明(小発作を伴うもの又は伴わないもの) |
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G40.6 |
てんかん大発作 |
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G40.7 |
小発作、詳細不明、大発作を伴わないもの |
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G40.7 |
てんかん小発作 |
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G40.8 |
その他のてんかん |
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巣状又は全身性の不明なてんかん及びてんかん症候群 |
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G40.8 |
モーア症候群 |
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G40.8 |
家族性痙攣 |
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G40.8 |
光原性てんかん |
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G40.8 |
術後てんかん |
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G40.8 |
症候性てんかん |
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G40.8 |
聴覚反射てんかん |
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G40.8 |
難治性てんかん |
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G40.8 |
反応性てんかん |
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G40.8 |
腹部てんかん |
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G40.8 |
ビタミンB6依存性てんかん |
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G40.8 |
睡眠時棘徐波活性化を示すてんかん性脳症 |
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G40.8 |
睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症 |
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G40.9 |
てんかん、詳細不明 |
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てんかん(性):全身けいれん NOS ・発作 NOS |
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G40.9 |
てんかん |
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G40.9 |
後天性てんかん |
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I69.4 |
脳卒中後てんかん ICD10-1:G40.9 |
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G40.9 |
脳炎後てんかん ICD10-1:G09 |
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G40.9 |
てんかん合併妊娠 ICD10-1:O99.3 |
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G44.8 |
てんかん発作による頭痛 ICD10-1:G40.9 |
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G41.0 |
大発作性てんかん重積(状態) |
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・強直・間代性てんかん重積(状態) |
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含まない |
継続性部分てんかん[コチェフニコフ(コチェヴニコフ)](G40.5) |
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G41.0 |
大発作持続状態 |
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G41.1 |
小発作てんかん重積(状態) |
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・欠神発作重積(状態) |
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G41.1 |
欠神発作重積状態 |
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G41.1 |
小発作持続状態 |
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G41.2 |
複雑性部分てんかん重積(状態) |
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G41.2 |
精神運動発作重積症 |
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G41.2 |
部分発作重積状態 |
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G41.8 |
その他のてんかん重積(状態) |
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G41.9 |
てんかん重積(状態)、詳細不明 |
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G41.9 |
てんかん重積状態 |
薬物誘発性で、薬物の分類が必要な場合は、追加外因コード(ⅩⅩ章)を使用する。
含まない:頭痛 NOS(R51)
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G43 |
片頭痛 |
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G43.0 |
前兆(アウラ)を伴わない片頭痛[普通型片頭痛] |
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G43.0 |
普通型片頭痛 |
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G43.0 |
前兆のない片頭痛 |
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G43.1 |
前兆(アウラ)を伴う片頭痛[古典型片頭痛] |
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G43.1 |
典型片頭痛 |
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G43.1 |
片麻痺性片頭痛 |
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G43.1 |
前兆のある片頭痛 |
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G43.1 |
典型的前兆を伴う片頭痛 |
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G43.1 |
典型的前兆に頭痛を伴う片頭痛 |
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G43.1 |
典型的前兆のみで頭痛を伴わない片頭痛 |
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G43.1 |
脳幹性前兆を伴う片頭痛 |
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G43.1 |
家族性片麻痺性片頭痛 |
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G43.1 |
遷延性前兆で脳梗塞を伴わない片頭痛 |
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G43.1 |
孤発性片麻痺性片頭痛 |
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G43.2 |
片頭痛発作重積状態 |
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G43.2 |
持続性片頭痛 |
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G43.2 |
片頭痛発作重積 |
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G43.3 |
合併症を伴う片頭痛 |
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G43.3 |
眼性片頭痛 |
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G43.3 |
片頭痛性前兆に誘発される痙攣発作 |
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G43.8 |
その他の片頭痛 |
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G43.8 |
眼筋麻痺性片頭痛 |
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G43.8 |
網膜片頭痛 |
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G43.8 |
片頭痛に関連する周期性症候群 |
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G43.8 |
前庭性片頭痛 |
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G43.9 |
片頭痛、詳細不明 |
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G43.9 |
片頭痛 |
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G43.9 |
慢性片頭痛 |
主要症状がいくつかの型のチックからなる症候群。
チックは不随意に、生じる、急速で反復性で、律動的でない運動動作(通常は限局した筋群が関与している)か、あるいは突然生ずる明らかな目的のない発声である。
チックは抗し難いものとして体験されがちであるが、しかし通常は、その期間はさまざまであるが抑制できるものであり、ストレスによって悪化し、睡眠中は消失する。
普通の単純な運動性チックは、瞬目、首を急激に振ること、肩をすくめること、顔をしかめることなどである。
普通の単純な音声チックは喉をならすこと、吠えること、鼻をすすること、歯擦音を出すことなどである。
普通の複雑チックとしては、自分を叩くことや跳ねること、片足跳びなどが見られる。
普通の複雑音声チックとしてはある単語を繰り返し発音するが、時として社会的に受容されない(卑わいな)単語(汚言<コプロラリア>)の使用や、自分自身が発声した単語や音声の反復(パリラリア)などが見られる。
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F95.0 |
一過性チック障害 |
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チック障害の概括的基準に合致するが、チックは12か月より長期にわたって持続することはない。通常は瞬目、しかめ顔又は頭を振る形をとる。 |
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F95.0 |
一過性チック障害 |
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F95.1 |
慢性運動性又は音声性チック障害 |
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チック障害の概括的な基準に合致し、そのなかで運動性又は音声性チック(ただし両者ともではない)があり、それは、単発性か多発性か(通常は多発性)であり、1年以上持続する。 |
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F95.1 |
慢性運動性チック障害 |
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F95.1 |
音声性チック障害 |
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F95.2 |
音声性及び多発運動性の両者を含むチック障害[ドゥ・ラ・トゥーレット症候群] |
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チック障害の一つの型で多発運動性チックと、一つ又はそれ以上の音声チックが見られるか、又はこれまでに見られたものであるが、しかしこれらが同時に生じてきたものである必要はない。 この障害は、通常は青年期に悪化し、成人期にまで持続する傾向を示す。 音声チックは多発的で、爆発的で反復的な発声、喉をならすこと、ぶつぶつ言うこと、 卑わいな単語や文句を使用するなどを伴う。 ときには身振りでの反響動作が合併し、その動作は卑わいな特徴を持つものであることもある(コプロプラキシア)。 |
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F95.2 |
ジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群 |
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F95.8 |
その他のチック障害 |
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F95.8 |
眼瞼チック |
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F95.8 |
顔面チック |
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F95.9 |
チック障害、詳細不明 |
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・チック NOS |
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F95.9 |
チック障害 |
